春の如く/小島のり子 WNCJ-2102
NORIKO KOJIMA
It Might As Well Be Spring
小島のり子/春の如く
WNCJ-2102 \2,800-
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春の如く 小島のり子
NOTE
人気、実力ナンバーワン、ジャズフルーティスト小島のり子のニューアルバム。小島のり子の奏でるジャズの世界は暖かさと心地よい緊張感が程良くブレンドされた大人の空間。
録音: 2000年10月 山中湖
曲目
1.I Thought About You
2.Those Spring Days
3.Dat Dere
4.It Might As Well Be Spring
5.Light Snow In Spring
6.Otters’ Fest
7.Di mana?
8.Let’s Cool One
●小島のり子プロフィール
東京都目黒区生まれ。柳原淑乃、大友義雄、井上淑彦、渡辺博彦に師事。1987年に自己のカルテットを結成して以来、数多くのミュージシャンと共演。コンサート、イベントをはじめ、都内及び近郊のライブハウスを中心に演奏活動を続けている。96年からの自己のユニットによるツアーも毎年恒例に。
著作は「ジャズ・フルート・メソード1<奏法と基礎練習・理論編> 」リズム・エコー社。
暖かな音色とジャージーなアーティキュレーションで、 スタンダードのジャズを追求する一方、情景的なオリジナルも数多く作っている。モダンジャズ、クール、ファンキー、リフもの、叙情的なもの、8ビート、ブラジル音楽、オリジナル…それらがフルートという楽器を通して奏される時、それはまぎれもなく彼女の世界となってあらわれる。
ライナーノーツ
2000年10月、CDのレコーディングは、山中湖から山道を少し登った、富士山の見えるスタジオでおこなわれました。
皆のアイディアで、大きなスタジオにU字に4人が集まって、お互いの顔が見えるようにセッティングをして録音しました。だからほとんどライブ録音といった感じでした。
レコーディングが終わった後に、どんな具合だったか、といったことを良く聞かれたのですが、実はあまり何も覚えていません。ただ無心にカウントを出し、テーマを吹き、あーテーマが終わったから次はアドリブを吹くんだなあ、といった調子でした。
ニュートラルな、ありのままの等身大の自分がここにはがあるように思います。そして、こういった演奏ができたのは、メンバーとスタッフのおかげでもあると思っています。彼等なくしてこの雰囲気は出なかったでしょう。
レコーディングエンジニアでもある佐藤さんが、何日か後に電話で「いやーとても楽しいレコーディングでした」と言って下さったので、ほっとしました。嬉しかった。
このCDを手にとって下さった方、楽しんで聴いていただければとても嬉しく思います。いや、踊ってもいいし、しんみりしてもいいし、洗濯しながら聴いてもいいし、どうか好きに聴いて下さい。
曲目紹介
I Thought About you/6’56
大好きなスタンダードの一曲。普通スタンダードはみんながやるキーで吹くようにしているのですが、この曲は、ゆったりした4ビートでやりたかったので、低めのキーに直しました。メロディーにすき間があるところが、粋な感じがする曲ですね。ひゅるる、なんて吹いてみていますね。
Those Spring Days/6’10”
東工大は、フルートを始めた頃、よく練習に行った場所でした。グランド脇で勝手に吹かせてもらっていました。春には太い幹の桜が見事に咲き、学食前の道は花びらで覆われます。家族連れが何組も花見に来ます。
花曇りの日に、雨が降りそうだなあ、と思いつつ散歩していた時のイメージで作った曲です。
Dat Dere /6’45”
ひょんなきっかけで巡り会った曲。いくつもの要素が重なって、このアルバムに入れることにしました。イントロに雰囲気があって、記憶にいつまでも残る曲です。
It Might As Well Be Spring:春の如く/6’31”
いつ、この曲を好きになったのか、誰が吹いて(うたって?)いるのを聴いたのか、それすら憶えていません。アルトフルートでいつも吹いているバラードの中の一曲です。
今回春の曲が多かったこともあり、語感もなんとも美しいのでアルバムのタイトル曲にしました。
Light Snow In Spring/6’56”
4月末、山形に行ったら、遅い桜がまだ咲いていて、その横に、梅も咲いていて、この上、雪も降っちゃったら、長谷川きよしの歌みたいかなあ、と思って作った曲をこのタイトルにしました。ちなみに「春の淡雪」は、淡い色の美味しいにごり酒です。
Otters’ Fest/6’47”
藍色の瓶に入ったビールを飲んだ、その名も獺祭(だっさい)ビール。獺祭とは、かわうそが川で魚を捕っている様子がお祭りをしているみたいだ、というので生まれた言葉だとか。面白い言葉だなあ、と思って曲を作ってみました。ほのぼのとはしていないけれど、かわうそがコーラス後半の10小節間ダンスを踊っているつもり。
Di mana?:どこ?/5’10”
バリ島にひとりで行った時作りました。宿の裏が小高い山に向って畑になっていて、椰子の樹の間を登って行くと少しだけ海が見える、そこでフルートを吹いたりして。(でも実はやぶ蚊にさされて後で大変でした。)
民宿から出かけるとき、いつも受付にいる宿の親父さんが、必ずのように「のり子、どこに行くの?」と聞いてくるので、それをタイトルにしました。
ほんとうは「Mau Ku Mana?」というのが正しいらしいのですが、わたしには「ディ・マナ」と聞こえたのです。語感が“ディ・マナ”のほうが美しいと思って、このタイトルにしました。アジアの、秋の、夕暮れ、といった感じでしょうか。
この曲だけ、オーヴァーダヴィングしました。ラストテーマでアルトフルートの上にオカリナが登場します。
Let’s Cool One/7’12
モンクの曲は、自由な発想でアドリブをとらせてくれるので、少しづつ手掛けています。
そのなかでもずっと気に入って吹いている曲です。どちらかといってライブの最初に演奏することが多いこの曲ですが、“おまけ”っぽい感じで最後に持ってきてみました。